商工会青年部主催のポータルサイトが大人気

成功導くヒット率向上　取引額1000万円突破も

　岡山県南の9商工会青年部主催の電子商取引支援ポータル（玄関）サイト「吉備きびスクエア」が取引実績を順調に伸ばし、関係者の注目 を集めている。立ち上げてはみたものの、フォロー不足などで実績の上がらないこの手の支援サイトも多い中、検索エンジン対策の徹底な どで販路拡大に特化する戦略が奏功。8カ月間で取引実績が1000万円を超す事業所も現れるなど、ネット取引の世界での認知度も急速にアッ プしている。

　 同サイトは、備南ブロックの9商工会　（茶屋町、庄、早島、灘崎町、東児、山手、清音村、昭和、真備町）青年部が、会員企業などのB toB（企業間）、B toC（企業消費者間）の取り引きを推進し、事業の活性化を図る目的で平成15年12月1日に立ち上げた。「食べる・飲む・ 遊ぶ」「生活・趣味・装い」「ものづくり・加工・製造販売」などの項目ごとに、登録企業86社（10月1日現在）の情報が検索できる仕組み 。年会費は1万円。

　 7月末までの取引実績は約3500万円。ヤフーが検索エンジンを切り替えるなど「想定外の事態が発生」（運営事務局）したこともあり、ア クセス状況には必ずしも満足いかない面もあるようだが、関係者によると「1件当たりの取り引き額が小さな事業所中心で、これほどの実績 は県内でも例がないのでは」。もちろん取引実績のない事業者もあるが、既に1000万円を超えた事業者も2件あり、自前のインターネット販 売のころより「売り上げが5倍に伸びた」酒店もあるという。

　 各支援機関などが運営する支援サイトでは、運営サイドと現場の意思疎通が十分に図れず、せっかく立ち上げながらうまく機能しないケ ースも目に付く。一方、実際にネット販売に取り組んでいる事業者らが集まりボトムアップ方式で開発・運用している吉備きびスクエアは 、当初から「いかに取り引きにつなげるか」に主眼を置いた。サイトヘの登録後も、定期的に講習会を開催してコンサルタントの指導を仰 ぎスキルアップ。「いつ」「どこで」「だれが」「どのようなキーワードで検索」一などアクセス内容を毎月解析しマーケティングを徹底 しており、今ではアクセス件数も右肩上がりに増えている。

　 新潟、静岡、高知など、中小商工業者の支援サイトで実績の上がるケースは全国的に増加傾向にある。幹事商工会の茶屋町商工会では「 成功している事業者には『前向き』『変化を恐れない』など共通のキーワードがある。成功者の出現でほかの参加者の意欲も高まるはずで 、商工会活動のメリットとして認知されるようになれば」と話している。
　 吉備きびスクエアのアドレスはhttp://www.kibikibi.jp/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（大森）

11月　吉備きびスクエアが山陽新聞に掲載されました。

中小企業の取引拡大を支援するポータル（玄関） サイトの運営団体が意見交換する「吉備きびスクエアポータルサイトサ
ミット」（茶屋町商工会主催）が二十六日、岡山市内のホテルで開かれた。

　 サイトの充実や有効活用法を探るのが狙いで、早島商工会など岡山県南の九商工会が運営する同サイトの開設一周
年を記念して開催した。岡山、高知、広島、新潟県などの商工団体や経営者ら約五十人が参加。アイ・リンク・コンサル
タント（静岡市）の加藤忠宏社長をコーディネーターに、会場全体で意見交換会を行った。

　 参加者からは「サイトで紹介する企業数を増やすより、中身を充実させた方がアクセスしてもらえる」　「商工会が運営
していることで、消費者が安心して当社に買いに来る」など、活発な発言があった。

物販サイト、成功の秘訣！

間違いだらけのWeb戦略
　　　　　 　 加藤忠宏　杉山啓子　共著　　　技術評論社

第４章　経営戦略としてのWeb実践事例

　　 4．10　広域的異業種交流戦略の実践
　 　　　　　（岡山県備南ブロック9商工会青年部）

『山陽新聞　2003年12月2日』より

ネットで取引拡大

　岡山県南の九商工会青年部が共同で、
中小商工業者の電子商取引を支援する
ポータル（玄関）サイト「吉備きびス
クエア」を開設、1日から本格稼働さ
せた。商工会が共同でネット取引用の
ホームページ（HP）を立ち上げるのは
中国地方で初めてという。

新製品やサービス紹介

　開設したのは茶屋町、庄（以上倉
敷市）、早島、山手、清音村、灘崎
町、東児（玉野市）、昭和（総社市）、
真備町−の備南ブロック九商工会青年
部。不況の中、苦戦が続く地域商工業
者の売り上げ増や活力アップにつなげ
るのが狙い。
　現在、九商工会の全会員約千八百六
十業者のうち約七十業者を紹介。飲食
・レジャー▽生活・趣味・衣類▽製品
加工・製造−の三分野に分け、写真付
きで新製品やサービスの内容、企業概
要などを掲載、九商工会のHPや他県の
中小企業ポータルサイトにもリンクを
張っている。
　紹介ページは年一回、自動更新する
ほか、どんなキーワードで何回検索さ
れたかなどアクセス内容を解析し、会
員の事業検証や営業活動に反映させる
。サイト自体が検索エンジンの上位に
掲載される仕組みも導入した。
　掲載料は九商工会の青年部会員が年
間五千円、一般会員同一万円。他地区
の商工会会員でも同二万円で掲載する
。受け付けは幹事商工会の茶屋町商工
会（086-428-0256）。
　同商工会は「取引成功など具体的な
成果を早く出すとともに、電子商取引
に関する会員や指導員の知識・技術ア
ップも図りたい」としている。
　吉備きびスクェアのアドレスは
http://www.kibikibi.jp
　吉備ブロック商工会は昨年度から、
若手後継者対象に地域商工業のIT
（情報技術）化を促進する人材育成
や電子商取引に必要な知織の習得を
推進。コンサルタント会社の指導を
受けた青年部がHPを制作し、11月
中旬から試験運用していた。2日夜
には、茶屋町商工会で品評会を開く。